種々の学問や数学・情報教育について考えるブログ。
対数を研究していたネイピアさんの名前がついているけれど、
実際には、これが無理数であることを示した
オイラー(Euler)さんの名前からeを拝借して名付けられた自然対数の底、e。
高校でよく見る定義は極限によるものだが、
微分しても元に戻るようになる指数関数をexと定義する、とか、
まぁ、種々の定義があるらしい。
採用する定義によっては、
対数と指数の定義が循環してしまうなど、問題になることがあるので、
厳密に数学を扱う場合には注意が必要だ。
さて、このネイピア数。
上記の定義で出発する場合、
二項定理でバラバラにすれば3より小さいことを示すことができるので、
上に有界であり、収束することが確認できる。
ただし、上記の定義のnは正の整数であるため、nが実数でもeに収束するかどうかは別の問題である。
この辺り、高校では至極曖昧なまま習った気がするが、
一般には数列で収束しても実数で収束するとは限らないので、十分注意が必要。
挟みうちの定理を用いることで、証明することができる、が、
これを高校生に説明するのは骨だな……いや、挟みうちの定理(原理)は追々ならうけれど、
eが出てくる段階でこの概念は十分には伝えられないだろう。
やっぱり曖昧なままにしておいて、大学でキッチリ習ってもらうのが筋なのかな。
[参考]
微分積分学入門 横田 壽
http://next1.cc.it-hiroshima.ac.jp/MULTIMEDIA/calcmulti/calcmulti.html
Wikipedia - 2009.05.19アクセス
http://ja.wikipedia.org/wiki/ネイピア数
http://ja.wikipedia.org/wiki/ネイピア数の無理性の証明
[数式] 数式画像作成ツール
実際には、これが無理数であることを示した
オイラー(Euler)さんの名前からeを拝借して名付けられた自然対数の底、e。
高校でよく見る定義は極限によるものだが、
微分しても元に戻るようになる指数関数をexと定義する、とか、
まぁ、種々の定義があるらしい。
採用する定義によっては、
対数と指数の定義が循環してしまうなど、問題になることがあるので、
厳密に数学を扱う場合には注意が必要だ。
さて、このネイピア数。
上記の定義で出発する場合、
二項定理でバラバラにすれば3より小さいことを示すことができるので、
上に有界であり、収束することが確認できる。
ただし、上記の定義のnは正の整数であるため、nが実数でもeに収束するかどうかは別の問題である。
この辺り、高校では至極曖昧なまま習った気がするが、
一般には数列で収束しても実数で収束するとは限らないので、十分注意が必要。
挟みうちの定理を用いることで、証明することができる、が、
これを高校生に説明するのは骨だな……いや、挟みうちの定理(原理)は追々ならうけれど、
eが出てくる段階でこの概念は十分には伝えられないだろう。
やっぱり曖昧なままにしておいて、大学でキッチリ習ってもらうのが筋なのかな。
[参考]
微分積分学入門 横田 壽
http://next1.cc.it-hiroshima.ac.jp/MULTIMEDIA/calcmulti/calcmulti.html
Wikipedia - 2009.05.19アクセス
http://ja.wikipedia.org/wiki/ネイピア数
http://ja.wikipedia.org/wiki/ネイピア数の無理性の証明
[数式] 数式画像作成ツール
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数列の極限値を計算する方法はいくつか考えられる。
あ、もちろん、一般項がわかってる場合の話。
例えば、以下の方法。
高校生の頃は、
この収束判定の必要性をなかなか実感することができなかったなぁ。
まぁ、いろいろ原因はあるんだろうけど、無限に続く数列を最初に扱う際、
「数列が収束しない」可能性についてしっかりと強調されるべきなのだろう。
そして、高校生がわかる範囲で凡例を示しておく必要がある。
いや、当時、私が授業をちゃんと聞いていなかった可能性は否定できないが(汗)
しかし、まぁ、上記の方法はちょっと面倒臭い。
そこで、今回のメインは以下の方法。
αとの差がn項目よりn+1項目より小さければ良いのだから、
イメージとしては、N 項目以降、αとの差が徐々に0に近づいていればOKという発想。
これなら、収束することを一旦示してから……なんて面倒なことをしなくてもいいわけだ。
[参考]
微分積分学入門 横田 壽
http://next1.cc.it-hiroshima.ac.jp/MULTIMEDIA/calcmulti/calcmulti.html
[数式] 数式画像作成ツール
あ、もちろん、一般項がわかってる場合の話。
例えば、以下の方法。
「上に有界かつ単調増加」または「下に有界かつ単調減少」を示す。
極限値をαと仮定してn→∞の時、an+1=an=αよりαについて方程式を解く。
高校生の頃は、
「上に有界かつ単調増加」または「下に有界かつ単調減少」を示す。
この収束判定の必要性をなかなか実感することができなかったなぁ。
まぁ、いろいろ原因はあるんだろうけど、無限に続く数列を最初に扱う際、
「数列が収束しない」可能性についてしっかりと強調されるべきなのだろう。
そして、高校生がわかる範囲で凡例を示しておく必要がある。
いや、当時、私が授業をちゃんと聞いていなかった可能性は否定できないが(汗)
しかし、まぁ、上記の方法はちょっと面倒臭い。
そこで、今回のメインは以下の方法。
αとの差がn項目よりn+1項目より小さければ良いのだから、
イメージとしては、N 項目以降、αとの差が徐々に0に近づいていればOKという発想。
これなら、収束することを一旦示してから……なんて面倒なことをしなくてもいいわけだ。
[参考]
微分積分学入門 横田 壽
http://next1.cc.it-hiroshima.ac.jp/MULTIMEDIA/calcmulti/calcmulti.html
[数式] 数式画像作成ツール
高校で学習した無限等比数列の極限。
公比をrとした時にrnがn→∞で収束するか否かが争点となる。
rがどのような値の時にどのような値に収束するか、
当時は直観で理解する形を取っていたが、定量的にその極限値を確認したい場合、
ベルヌーイ(Bernoulli)の不等式を用いると簡単に証明できる。
ベルヌーイの不等式自体の証明は、
xn-1を因数分解してちょちょいと適応すれば、簡単。
そして、rnの極限値の計算も、まぁ、何なりとできるだろう。
もちろん、ε-δ論法を用いる。
とりあえず、今回は、
ベルヌーイの不等式っていうものをメモしとこうと思っただけ。
ちなみに、ベルヌーイの定理っていうのは、
エネルギー保存則の1つで物理の世界の話。
しかも、同じベルヌーイさんでもベルヌーイさん違い。
ベルヌーイの不等式を示したのはJakob Bernoulliで、
ベルヌーイの定理を示したのはDaniel Bernoulli。JakobはDanielの伯父さんだ。
[参考]
微分積分学入門 横田 壽
http://next1.cc.it-hiroshima.ac.jp/MULTIMEDIA/calcmulti/calcmulti.html
Wikipedia - 2009.05.17アクセス
http://ja.wikipedia.org/wiki/ベルヌーイの定理
http://ja.wikipedia.org/wiki/ヤコブ・ベルヌーイ
http://ja.wikipedia.org/wiki/ダニエル・ベルヌーイ
[数式] 数式画像作成ツール
公比をrとした時にrnがn→∞で収束するか否かが争点となる。
rがどのような値の時にどのような値に収束するか、
当時は直観で理解する形を取っていたが、定量的にその極限値を確認したい場合、
ベルヌーイ(Bernoulli)の不等式を用いると簡単に証明できる。
ベルヌーイの不等式自体の証明は、
xn-1を因数分解してちょちょいと適応すれば、簡単。
そして、rnの極限値の計算も、まぁ、何なりとできるだろう。
もちろん、ε-δ論法を用いる。
とりあえず、今回は、
ベルヌーイの不等式っていうものをメモしとこうと思っただけ。
ちなみに、ベルヌーイの定理っていうのは、
エネルギー保存則の1つで物理の世界の話。
しかも、同じベルヌーイさんでもベルヌーイさん違い。
ベルヌーイの不等式を示したのはJakob Bernoulliで、
ベルヌーイの定理を示したのはDaniel Bernoulli。JakobはDanielの伯父さんだ。
[参考]
微分積分学入門 横田 壽
http://next1.cc.it-hiroshima.ac.jp/MULTIMEDIA/calcmulti/calcmulti.html
Wikipedia - 2009.05.17アクセス
http://ja.wikipedia.org/wiki/ベルヌーイの定理
http://ja.wikipedia.org/wiki/ヤコブ・ベルヌーイ
http://ja.wikipedia.org/wiki/ダニエル・ベルヌーイ
[数式] 数式画像作成ツール
理工系の大学だと、普通は習わない、ということを聞いた。
そして、現実に、一応理工系である私は習わなかった。
「ε-δ論法」
読みは、イプシロン・デルタ論法。
あんまり聞かないけど、デルタ・イプシロン論法とも言うらしい。
まぁ、正直なところ、
工学何かの分野で計算式を利用するだけなら、別に客観的に証明できなくても、
誰かが証明した事実を用いて応用すればいい、 という話なのかもしれない。
極限値を定性的でなく、定量的に扱う際によく出てくる論法。
極限値を定義する際のデファクトスタンダードと言っても差支えなさそうだ。
せっかくて言う量的に扱えるようにする手法にもかかわらず、
直観的な記述の仕方をすると元も子もないかもしれないが、
このε-δ論法による極限値のイメージとしては、以下の通り。
どんな小さなεに対しても、δの存在を証明できれば良いってことだ。
確かに、この定義なら、xがどんどんx0に近づく時、 f(x)がどんどんlに近づいている、ということを定量的に表せている。
存在証明の方法はケース・バイ・ケースいろいろあるけど、
ことこれに関して言えば、εの値を利用してδの値を選んで良い、 ってところが発想のポイントかもしれない。
[参考]
微分積分学入門 横田 壽
http://next1.cc.it-hiroshima.ac.jp/MULTIMEDIA/calcmulti/calcmulti.html
Wikipedia - 2009.05.17アクセス
http://ja.wikipedia.org/wiki/イプシロン-デルタ論法
[数式] 数式画像作成ツール
そして、現実に、一応理工系である私は習わなかった。
「ε-δ論法」
読みは、イプシロン・デルタ論法。
あんまり聞かないけど、デルタ・イプシロン論法とも言うらしい。
まぁ、正直なところ、
工学何かの分野で計算式を利用するだけなら、別に客観的に証明できなくても、
誰かが証明した事実を用いて応用すればいい、 という話なのかもしれない。
極限値を定性的でなく、定量的に扱う際によく出てくる論法。
極限値を定義する際のデファクトスタンダードと言っても差支えなさそうだ。
せっかくて言う量的に扱えるようにする手法にもかかわらず、
直観的な記述の仕方をすると元も子もないかもしれないが、
このε-δ論法による極限値のイメージとしては、以下の通り。
どんな小さなεに対しても、δの存在を証明できれば良いってことだ。
確かに、この定義なら、xがどんどんx0に近づく時、 f(x)がどんどんlに近づいている、ということを定量的に表せている。
存在証明の方法はケース・バイ・ケースいろいろあるけど、
ことこれに関して言えば、εの値を利用してδの値を選んで良い、 ってところが発想のポイントかもしれない。
[参考]
微分積分学入門 横田 壽
http://next1.cc.it-hiroshima.ac.jp/MULTIMEDIA/calcmulti/calcmulti.html
Wikipedia - 2009.05.17アクセス
http://ja.wikipedia.org/wiki/イプシロン-デルタ論法
[数式] 数式画像作成ツール