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種々の学問や数学・情報教育について考えるブログ。
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誤解なきよう、初めに書いておくと、
この成熟優位説は、現在では否定されている


A.L.ゲゼルが1956年に一卵性双生児に対して行った実験より導き出された説で、
発達のための必要条件が「生理的・身体的な成熟である」とする説。


歳を重ね、生理的・身体的に十分発達してからでないと、
学習の効果が出ない、という考え方だが、これは誤りで、
現在では、発達は様々な後天的な経験や学習、環境の変化などによって影響を受ける、と言われる。

理由としては、野生児の言語や社会性の発達の遅れなどがよく挙げられる。


これは私見だが、このことは、裏を返せば、
生理的・身体的な成熟が伴っていても、諸々の経験・学習、環境条件等によっては、
素直に学習が進行しないことを意味しているのではないか?



かつて、道徳の授業の性差別問題に対する教育の一環として、
私は、おおよそ次の内容のような教育を受けた覚えがある。


同じ「らしく」という語でも、
「男らしく」や「女らしく」は差別的な言い方である。
「中学生らしく」は、差別的な言い方ではない。



確かに、「中学生らしく」というのは、男女差別の観点では問題はないのかもしれないが、
上述の成熟優位説に対する私の考えに基づくならば、
中学生と言えど、諸条件によっては、
一般的に年齢相応と考えられる行動ができるとは限らないのではないか、と思われる。

複雑な教育環境に置かれがちな昨今の子ども達に対して、
「もっと上級生として……云々」というような指導方法は、
ひょっとすると、今後、個別の事例に応じて注意を要することになるかもしれない。


もちろん、そう言うものに対する行き過ぎた懸念が教育を圧迫する可能性は否定できない。
年齢相応の社会性について子ども達に問いかけ、考えさせることは意義のあることだし、
言い方や言うタイミングというものに慎重な判断が必要になる、ということだろう。




[参考]

図解雑学 発達心理学 ナツメ社 山下富美代・他
http://www.amazon.co.jp/%E7%99%BA%E9%81%94%E5%BF%83%E7%90%86%E5%AD%A6-%E5%9B%B3%E8%A7%A3%E9%9B%91%E5%AD%A6-%E5%B1%B1%E4%B8%8B-%E5%AF%8C%E7%BE%8E%E4%BB%A3/dp/481633212X

慶應義塾大学 湘南藤沢キャンパス 渡辺利夫 認知モデル論
http://web.sfc.keio.ac.jp/~watanabe/
http://web.sfc.keio.ac.jp/~watanabe/cog7.htm
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